一般の人は、プレハブと聞くと、仮設事務所や仮設住宅のようなイメージがあります。
でも実は、現在の住宅には、何らかの形で、プレハブ工法が取り入れられています。
プレハブ(prefab)とは、広い意味では、「前もって製造すること」(prefabrication)です。
プレハブ工法では、建築現場でゼロから組み立てるのではなく、あらかじめ工場で、ある程度組み立ててから、建築現場に運び、取り付けを行ないます。
つまり現場で行なわれていた作業を、工場で行なうことにより、効率化しようというわけです。建築現場では、運んできたものを、組み立てるだけで済みます。
工場で組み立てるメリットには、以下のようなことがあります。
・作業が効率化できる
・品質が一定になる
・工期が短縮できる
・大量生産できる
・少量生産にも対応できる
結果として、コストダウンにつながり、会社側の利益率が向上します。するとお客様に、安くて品質の良い住宅を、提供できるようになります。
工場で生産するというと、大量生産のイメージがあります。しかし最近では、自由設計を取り入れているハウスメーカーもあり、少量生産にも対応しています。
また一軒の家には、プレハブ工法を取り入れることができる部分が、たくさんあります。
住宅の主要な構造で大きく分けると、鉄骨系プレハブ、木質系プレハブ、コンクリート系プレハブなどがあります。2×4(ツーバイフォー)もプレハブ工法の一種です。
プレハブ工法では、屋根、壁、床も工場で生産することができ、それぞれパネルとなります。壁パネルや床パネルには、配線や配管も、あらかじめ取り付けておくことができます。
最近では、キッチン、トイレ、浴室などの水回り部分は、ほとんど工場で生産されています。
建築する時に、一番手間のかかる水回り部分を、あらかじめ工場でユニットとして作ることで、品質を一定にでき、コスト削減にもなります。
*ユニットとは単位のこと
家をもっと大きな単位で分ける、ユニット系プレハブもあります。ユニット系プレハブは、工場で内装まで済ませているため、建築現場では、まさに箱を組み立てるような感じです。
プレハブという考え方は、何も特別なものではなく、昔から工務店にも「下小屋」という工房がありました。
下小屋とは、建材を下ごしらえするための作業場のことです。建材を下小屋で、ある程度加工したり、組み立ててから、建築現場に運んでいました。
日本でも昔から、いろいろ工夫されていたわけです。
それが、もっと専門的な工場で生産されるようになり、大量生産にも対応できるようになったものが、プレハブなのです。