バリアフリー(barrier free)とは、バリア(障壁、障害物)を無くすことです。障害者や高齢者が、生活するのに不便な障害物を、取り除こうという考え方です。
バリアフリー住宅では、床の段差を無くしたり、廊下を広げるなどの工夫がされています。
バリアフリー住宅を考える上で、大事なポイントが2つあります。
・家庭内の事故を未然に防ぐ住宅である
・障害者や高齢者が自立した生活ができる住宅である
まず大事なのは、事故を未然に防ぐことです。
家庭内で事故の多い場所は、階段、浴室、居間、玄関、台所などです。
玄関や居間で転倒したり、浴室で滑ったりして、骨折や捻挫などの怪我をしてしまいます。高齢者の場合は、怪我が原因で、そのまま寝たきりになることもあります。
また台所では、料理する時に、衣類に火がうつり、ヤケドする事故があります。
室内の温度が原因となる事故もあります。寝室、廊下、浴室、トイレなどの温度差が大きいと、血圧が急激に変動し、心臓発作や脳卒中の原因になることがあるようです。
病気を防ぐには、水分補給も大切です。高齢になると夜中にトイレに行く回数が増えます。その時に、寝室からトイレへ行きやすく、すぐに水分を補給できるような、部屋の間取りも重要になってきます。
バリアフリー住宅で、事故の原因を、あらかじめ取り除いておけば、障害を負う可能性がかなり低くなります。
たとえ障害を負った場合でも、車椅子や歩行器具を使うことができるバリアフリー住宅なら、自立した生活ができます。
つまり、事故を未然に防ぎ、寝たきりにならないようにするのが、バリアフリー住宅の役目なのです。
障害者や高齢者が暮らしやすい住宅というのは、健常者にとっても暮らしやすい住宅といえます。
最近では、もう一歩進めて、「ユニバーサルデザイン」(universal design)という考え方があります。米国のノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス教授が提唱しました。
ユニバーサルデザインとは、障害の有無、年齢、性別などに関係なく、全ての人が使いやすいデザインにすることです。
ユニバーサルデザインは、商品、ファッション、交通、建物など、あらゆる分野に取り入れられています。
新築一戸建て住宅を計画する時は、バリアフリーや、ユニバーサルデザインについても、考えてみるとよいでしょう。